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2008年4月 9日 (水)

情は人のためならず

今日、とてもありがたい経験をさせてもらいました。

帰りの電車の中で、なぜか涙が出てきました。

新しい職場に勤め初めて20日強。これまで自分が持っていた価値感とか文化とかとは全く違う環境に身を置き、少々「訳の分からない」ストレスがたまり始めています。

それはしかたのないことだと思います。全く常識の違う法人に飛び込んだのですから。

でも、理性では分かっていても感情が暴れだしてイライラしています。

そんなイライラをリセットしようと帰りに喫茶店に寄ったものの、やはりイライラ感が消えず、プリプリしながら電車に乗りました。

乗り換えの駅で、やはりプリプリしながら歩いていたら、大勢の仕事帰りの人でごった返している中、少し人の流れが乱れているところがありました。

何かな?と思うと、お一人、年配の白い杖を持った方がなれない様子で右往左往しながら歩いておられて、その方を避けるような形で帰宅を急いでる人達が早足で横を通り過ぎていました。

どう見ても、年配の方は白い杖のベテランといえない動き。しかも見るからに全盲でらっしゃる。年齢がある程度とられてから全盲になった方だと感じました。

その脇をかする距離感で足早に帰宅を急ぐ人達。大勢の人達が行き交う場所であまりにも危険そうに感じ、声をかけてサポートさせていただきました。

下りる駅をお聞きし、その駅で一緒に降りて改札までだったのですがご一緒させていただきました。全盲の方をサポートするのは初めての経験です。

ご一緒してる間に杖にかわいいマスコットと外国のキーホルダーがついているのに気付いて、「お孫さんからですか?」と声をかけさせていただくと、その方、

「いやー、恥ずかしいんですけどね、家の者が“お守りだから恥ずかしがらずにつけろ”っていうんです。」

と話してくださいました。そして、携帯電話を出して、恐らくその方は見た事の無いであろうお孫さんと映っている、待ち受け画面に設定している写真を見せてくださいました。

とても愛情に溢れた写真。

そして、マスコットを大事そうに指でなぞりながら、

「これ、色がついてますか?何のマスコットなんでしょう?」

色と何のマスコットなのかお伝えすると、とても嬉しそうに改めて大切に大切に指でなぞられました。

降りられる駅で一緒に降り、改札までご一緒させていただきました。

体の向きを変えると方向が分からなくなるはずなのに、改札を出た後わざわざこちらを向いて頭を下げていただきました。

不安は的中、見守っているとやはりその後方向感覚を失い、壁に突き当たったりされてしまいました。

見かねて駅員さんに声をかけると、その駅員さんは素晴しくすばやい対応をされました。

とても、とても勉強になりました。小学校の頃に「人」という字の成り立ちを教えてもらった事を改めて痛感しました。

後続の電車に乗って一人になったとき、一連の行動の中で、愛情をもらえたのは自分であったことがジワジワと湧き上がり、涙が止まりませんでした。

「情け」という言葉は決して、上から下へ行うものでない事、そして自分のための「人」としての変えがたい勉強と財産であることを実感しました。

同時に決して「自己犠牲」でない事。

気付けば、プリプリしていた感情は微塵もなくなっていました。

感謝以外の何者でも無い、とてもとても貴重な時間を得ることが出来ました。

人って温かい。

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